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2008年03月08日
タイ・プラナン旅行記
6年ぶりにタイ・プラナンへ行ってきました。これはその旅行記です。 ビデオ作品「Hot Climbing 3, Customized」のオープニング映像はこちら |
2月11日
5時45分に上大岡から電車に乗る。京浜急行と京成電鉄の乗り継ぎで成田に向かうのだ。その電車にYさんも乗っていた。
「泊まるところはNKマンション?ですよね。」
「違いますよ。Ao Nang Friendly bungalowですよ。全体計画表に書いていたでしょう。」
と、Yさんが持っている計画表を見ると初版である。最終的には六版まで発行したのに・・・。
先が思いやられる。これからどうなることやら。
滞在したバンガロー | バンガローで飼っている小鳥 | 庭先に咲いている花 |
2月12日
長い1日だった。Toさんの完璧なアレンジで昨夜は無事にアオナンに到着。
今日は朝8時に朝食を取った後、アオナンビーチから、トンサイへ。ところが、トンサイエリアのクライマーの多さに閉口し、ビーチ沿いにライレイビーチへ移動。
そこでまたまたびっくり。あざらし(ビーチで寝転んでいる一般客)のいかに多いことか。今はクリスマスシーズンではなくて2月だぜ。123エリアに行ってもクライミングの講習会の嵐。壁にも取り付けない。
結局、クライミングをしないまま、プラナンビーチで昼食。
プラナンビーチの大勢のあざらしのビキニ姿を横目に、エッシャーワールドへ。そこから洞窟を通ってタイワンドウォールへ出た。朝方は1パーティしか取り付いていなかったのでゆっくりと登れると思ったからだ。
ところが着いてみると、ニーハオと呼ぶ人種でいっばい。あーあ。どこへ行っても人、人、人。私の知っているプラナンはもうそこになかった。
でも、我ら遠征隊は強い。文句ひとつ言わずによく付いてきてくれたと思います。今日はゆっくりとお休み下さい。
タイワンドウォールエリア1 | タイワンドウォールエリア2 | タイワンドウォールエリア3 |
2月13日
昨日のクライミングエリアの混み具合を見て、今日はエッシャーワールドへ行くことにする。
アオナンビーチから、プラナンビーチへテイルボートで乗り付ける。このテイルボートはタクシー代わりで便利がよい。
さて、エッシャーワールドは昨日とうってかわって貸し切り状態。こうでなくっちゃ、プラナンクライミングの醍醐味と開放感を味わえない。
このエリアはショートルートが多いので、優しいルートを気軽に取り付ける。ところが、優しいルートはみんなが取り付くのでぴかぴかに磨かれている。ガバなんだけど、鏡のような大理石を登っている感じ。持つホールドに力が入り、汗が出るのでますます滑る。この低グレード5のルートより、隣の6bのルートの方が優しく感じてしまう。
でも、今日は1日充実してクライミングを楽しめた。やはり、タイ・プラナンは良いところだ。
Humming Song, 6b | Crazy Peninsula, 7a+ | Best Route In Minnesota, 6c |
2月14日
今日は、2つのグループに別れて行動した。Toさん、Taさん夫妻とTozさん、Aさん夫妻は休養。そして、Toさんのクライミング仲間のお二人、KさんとMさん、そして、Yさんと私はトンサイエリアへ向かった。
ここはクライマーの溜まり場なので、どのルートにもクライマーが取り付いている。
隣のダムズ・キッチンエリアは取り付けそうなので、そこからトライアル開始。どのルートも世界中のクライマーが登り、チョークを塗りたくっているので、ガバホールドと言えども5ミリの厚さのチョーク層があり、滑る。人気ルートほど実質的なグレードが高くなっていると言える。
そんなことより、我ら遠征隊の食欲は凄まじい。一昨日の夕食は4人ずつの2つグループに別れて食事をしたのだが、お互いが張り合って注文しまくり。ゴージャス!!
今日の夕食は8人同じテーブルで食べたが、注文した料理の皿がテーブルに置けず右往左往。
我らは超お得意様なのだ。タイ国の消費刺激に多大に貢献していると胸を張ることができる。
Schlingel Max, 6b | No Name, 6c | The Lion King, 6c+ |
2月15日
両ご夫妻は、昨日のレストで完全にリフレッシュ。昨晩の夕食では、Taさん、Aさんがショッピングで手に入れたペアのパンツをご披露。ザ・ピーナッツ状態! Aさんの夫のTozさんは黄色のTシャツに黄色のパンツ、ネックレスも決めてご機嫌。皆さん、タイ・マッサージをしてもらったと言うから、身も心も軽いのだ。
さて、今日はデファイル・イグジットというエリアに行った。プラナンビーチから洞窟をへつり気味に入るのだが、潮が満ちていそうで心配だ。満ちてしまえば、首まで海に浸かってしまう。
かぶっている7bのルートが途中まで簡単そうなので、そこをトライ。Taさん、Aさんも果敢に望み、鳥のように舞ってもらった。その後、123エリアに移動し、かぶり気味のやさしいルートをトライ。このとき、Aさん曰わく、「クライミングのコツがわかったような気がする。」 悟りをお開きになられたようだ。
Kumjai, 7b | Kumjai, 7b | Kumjai, 7b |
2月16日
早いもので、Tozさん、Aさん夫妻とYさんは今日で最後のクライミングとなる。
インターナショナルなAさんは、アメリカ人、ドイツ人、スウェーデン人、マレーシア人、フランス人、・・・と世界中の人々と、すぐにお友達になり、そのうちアオナンの有力者になってしまいそう。
そのAさんは、本日泳ぐという。欧米人の恥ずかしげのない姿を見て、水着になることにたいそう自信をもったらしい。
Aさん夫妻とTo さん夫妻はプラナン・ビーチでスイミング。残りの4人は123エリアでアップした後、ザ・キープエリアへ。1本ずつ登って退散。
Yさんは粘ってプラナンビーチエリアで6cをトライ。コルネ登りのコツを掴んだようだ。
そして、アオナンに戻り、素敵なレストランで美味しい食事を満喫。あっという間に今日1日も終わってしまった。
Gengis Bond, 6b | Gengis Bond, 6b | Muai Thai, 6b |
2月17日
Toさん夫妻とKさん、Mさんはピーピー島にワンデイトリップに出かけた。
Tozさん、Aさん夫妻、Yさんと私は午後2時の出発までショッピングをしたり食事をしたりした。
Aさんと私はタイマッサージを受けた。私にとっては6年ぶりのタイマッサージ。本当に気持ちが良い。意識が遠ざかっていくような陶酔感におそわれる。Aさんもこれで心おきなく日本に帰れるというもの。
そして、Yさんも慣れないショッピングに苦労しながら、家族へのペーパーハットを買って、照れる表情に陰りがない。
3人とも、また来ようと心に決めてクラビ空港へ向かった。
2月18日
3人が帰ると同時に、観光客やクライマーもぐんと減った。
今日はトンサイへ行ったが、順番待ちは気にしなくてよかった。
午後3時半を過ぎてアオナンへ戻った。今日は住み慣れたバンガローを移動しなければならない。移る先は今まで滞在したバンガローのオーナーの親族だという。つまり、ここら辺は全部『山田さん』である。日本の田舎と大差ない。
最近、ハマっているのは「輪タク」である。二輪車タクシーの略であろうか。125cc程度のエンジンで、バイクの横に荷台が付いている。最大5人まで乗れる。波止場からバンガローまでの500mを運んでくれる。Tozさんも最後には、「これでなきゃ嫌だー」とだだをこねていた。タイには便利なものがあるものだ。
輪タクの運転手 | らくちんで、ご機嫌! | バンガローまであっという間 |
2月19日
今日はダムズキッチンの左側を登った。最初に、6bに取り付いた。トポに書いてあるように、本当にNot niceだった。上部は針の上のスタンスを登っているような感じだし、終了点も悪かった。
十分にクライミングを楽しんだ後、アオナンに戻ってきた。
夕食は美味しいレストランを見つけたので、ここ3日ほど、この店に通っている。
メニューを見ると200種類以上あり、どの料理を選んでもうまい。ようやくオーダーのコツがわかってきたので、割安で、美味しいものをたらふく食べることができる。
とはいうものの、明日はクライミング最終日。早いものだ。
2月20日
最後のクライミングをエッシャーワールドで楽しんだ。
エッシャーワールドの右側の洞窟のところに、上部から張り出したヒレ状の岩があり、そこに点々とスリングが付いている。下部は逆にナイフが突き出ている感じ。落ちたら刺さりそうなのだ。7c+だが、一度は取り付いてみたいと思っていた。
もし、回収できなかったとしても、今回でプラナンは最後だと思っている私にとって、捨てビナの一枚ぐらい、どうってことない。
取り付いてみると、2本目のクリップで、上からのヒレと、下からのナイフに大股開きで達するものの、それ以上は足が宙に舞ってしまう。ヒレ状の岩をパワーで登るしかない。早々とあきらめたが、まったく後悔はなかった。こんな面白いルートは世界中探してもここでしか味わえない。これぞプラナンというルートである。
そして、昼過ぎにクライミングを終え、プラナンビーチでひと泳ぎ。潮が引いてくるとハッピーアイランドまで歩いて渡れるようになった。今日は満月だが、新月の引き潮のときには、ハッピーアイランドのルートも安心して登れるに違いない。
10日前に着いたときの喧噪は今は無く、昔ながらののんびりとしたビーチがそこにあった。
2月21日
朝、バンガローの精算をしに行くと、年老いたおばあちゃんしかいない。英語も日本語も理解できないのだ。
仕方なく、勉強してきたタイ語でトライ。
サワディー・クラップ(こんにちは)。チャパイ・プラテー・イープン・クラップ(日本に戻ります)。チェッピン・ドゥアイ・クラップ(精算をお願いします)。カウ・プート・ポム・ワー・ワン・ラ・ホッローイ・ハーシップ・バーツ(彼は1日に付き650バーツだと言いました)。
このとき、おばあちゃんはおもむろに手帳を開いた。そこに3900という数字が書いてあった。二部屋で3日分だから、合計3900バーツになるのだ。
無事に3900バーツを払ってめでたしめでたし。
今回の旅行で思ったことは、ドイツ人、スウェーデン人をはじめEU圏内の旅行者が非常に多かったことだ。その背景にユーロ高があることは明らかだ。経済のグローバル化と通貨の力がここタイにも大きな影響を与えている。
10年前に来たときと様変わりしているのは、プラナンがリゾート化したというだけでなく、世界経済のパワーバランスも変わったということなのだ。
投稿者 sue_originalcv : 2008年03月08日 04:19
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