[撮影四方山話] 甘い歌声を聞く場所
- オリジナル・シー・ヴイ代表の末次です。
この7月5日で、オリジナル・シー・ヴイも12年を経過します。
これから2巡目という気持ちで、少し新鮮なアングルから作品制作に取り組んでいきたいと考えています。
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<目次>
1.[撮影四方山話] 甘い歌声を聞く場所
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品 → 「I say a little prayer for you」
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1.[撮影四方山話] 甘い歌声を聞く場所
9年前、エーゲ海に浮かぶ小さな島・カリムノス島へ行ったときのことです。
現在はカリムノス島が素晴らしいクライミング・エリアであることが有名になってしまいましたので、世界中から多くのクライマーが押し寄せますし、そこで日本人もたくさん見かけるでしょう。
しかし、9年前はまだ知名度が低く、そこに2週間ほど滞在していてもTさんご夫妻と私の3人以外に、日本人には会いませんでした。
カリムノス島で、クライマーが集う町マスーリのバス停から下っていくと小さな入り江があります。ここもエーゲ海ですので、真夏のシーズン中はたくさんの観光客が訪れます。しかし、私たちが滞在した9月下旬はすでにシーズンオフでした。
ですから、クライミングを終えて、夕方、この小さな入り江に来るとひとりで貸し切りで泳げるのです。エーゲ海の一部を独占していると考えれば、これほど贅沢なことはありません。
ある日、いつものように入江に下りていくと、甘い歌声が下から聞こえて来ました。かっぷくの良いひとりの男性が腰ほどまで海水に浸かりながら、気持ちよく歌っているのです。周りは崖ですので、反響効果もあります。
ドミンゴ、カレーラス、パヴァロッティとはいかないまでも、その気持ち良く歌っている甘い声は心に沁みてきます。昔、彼女に思いを募らせた曲を歌っているのでしょう。
今思えば良き想い出です。
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品
作品名 「I say a little prayer for you」
制作 千葉県女性
作品時間 7分
年の瀬が押し迫ったある日、麻布十番にあるレストランカフェ。
ゆったりとくつろげる大きな空間の中心に、3-4人が座れる木製の円卓と椅子が10セットほど、そして、壁沿いにはボックス席があります。
そして、天井から吊り下げた大きなシャンデリアと周囲に配置された小さなたくさんの照明が、竹を編んだような木目調の壁と、柱の傍に置かれた大きな観葉植物の中で浮き上がっています。
エスニック風ヘルシー料理が魅力のこのレストランに、メンバーが集まって来ました。ふたつの円卓を囲んで、スタンバイ状態です。
ここでビデオカメラを持ったAさんが問いかけました。
A:「皆さん、今日の意気込みをどうぞ。」
B:「いつもお世話になっている先輩なんで頑張ってもらいます。」
C:「昨日の自主練でガチガチだったので、不安が残ります。」
D:「プレッシャーを感じるよね。」
E:「いやー、僕、本人よりも緊張しています。でも、ぜひ成功してこの映像をみんなで見たいです。」
A:「ですよね。いつかの結婚式のときに流したいですよね。」
いよいよ本番。レストラン内のすべての照明が落とされました。
曲が流れ始め、本日のヒーローが真っ暗なドアから歌いながら入って来ました。ヒーローの歩みと共にバックの照明のひとつ、ひとつに灯りがともっていきます。
While combing my hair now
And wondering what dress to wear now
I say a little prayer for you
ここで、ヒーローの顔にスポットが当たり、甘い声をしたヒーローの暖かくて柔らかい表情が現れました。
Forever and ever, you ll stay in my heart
And I will love you
Forever and ever, we never will part
Oh, how I love you
Together, forever, that s how it must be
To live without you
Would only mean heartbreak for me
歌い終わると、クリスマスツリーの前の円卓に一人座っているヒロインの手を取り、ステージに導きます。
BGMは止まり、静かな、大きな空間のレストラン内に響き渡る声でヒーローは語り始めました。
「**ちゃん、・・・・・・。君と一緒に歩いて行きたい。」
ヒーローは片膝を立てて座り直し、花束を捧げます。
「お願いです。僕と結婚して下さい。」
ヒロインは彼から花束を受け取りました。
「成功でーーーす。」
おめでとう! おめでとう! おめでとう! の掛け声と共に、レストランに居合わせたすべての方々から拍手喝采が送られました。
そして、ヒーローから
「皆さんに一杯ずつワインをご馳走しますので、ぜひ、一緒に乾杯して下さい。」
ヒロインがヒーローに問いかけました。
「あちらの方は???」
「知らない方なんだけど、今日、たまたま、ご一緒になったのです。」
そのレストランにお越しいただいたすべての皆さんと共に、
「では、カンパーーーイ!」
おめでとうの歓喜の中、年の瀬の麻布十番は盛り上がっていました。