[撮影四方山話] 本棚の異変
- オリジナル・シー・ヴイ代表の末次です。
夏本番! 風の通る木陰で電子ブック「kindle」を読んでいるのも良いものです。
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<目次>
1.[撮影四方山話] 本棚の異変
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品 → 「わたしのふるさと」
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1.[撮影四方山話] 本棚の異変
昨年の秋、電子ブック「kindle」を購入しました。もちろん、新書の本が安く買えるということが動機でした。
早速、使ってみると、実は無料本がたくさんあるのです。無料本とは著作権の切れた本をボランティアの皆さんが電子化して下さったものです。
まずは、与謝野晶子訳紫式部「源氏物語」やF. Scott Fitzgerald「The Great Gatzby」を読みました。これらが無料とは!
次にいろいろと検索していると、吉川英治の作品も著作権が切れていて、ボランティアの皆さんによって電子化されていることがわかりました。
私の本棚には、黒田如水、三国志 12巻、私本太平記 13巻、宮本武蔵 8巻、新平家物語 16巻、神州天馬俠; 3巻 などが並んでいました。
新平家物語、神州天馬俠を除けば、すでに電子化されて無料本になっているのです。(現状は、『吉川英治全集・111作品 ⇒1冊』となっていてkindle価格で200円です。この200円というのはこれらの作品の対価というよりはボランティアの皆さんへの寄付のような意味合いだと考えています。)
ということは著作権が切れた本はkindleを使って無料で手に入るわけですから、私の本棚に並んでいるものとダブってしまいます。
そこで、ダブってしまった本は必要な方へ差し上げることにしました。すると、私の本棚にスポッと空間が出来てしまいます。
ですが、ご心配には及びません。室内に入りきらなくて外部倉庫に出してある本を引き取ってそこに補充すればよいわけですから、私の本棚の質は確実にアップすることになります。
整理整頓という意味でもkindleの果たす役割は大きいのです。
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品
作品名 「わたしのふるさと」
制作 神奈川県男性
作品時間 24分
相模の国にお住まいのA男さんは奥様のB子さんと共に、ふるさとへ里帰りしました。
A男さんは今年還暦(60歳)を迎えます。そこで、ふるさとのご家族、ご親族の皆さんが、A男さんの還暦祝いを行って下さるというのです。
すでにふるさとの実家では準備万端です。開け放たれた居間に長テーブルが置かれ、その上には地産の食材で作られた料理が隙間のないほど並べられています。地魚や伊勢海老の刺身、握り寿司、煮物、揚げ物、・・・。
皆さんが長テーブルを囲み坐したところで、A男さんのスピーチ。
次に、皆さんから贈られたたくさんのプレゼントをA男さんがひとつひとつ開封して披露しました。A男さんはひとつのプレゼントを開封する度に、そのプレゼントに込められた贈り手の気持ちを斟酌して感無量です。
食が進み、しばらくしてから余興。まずはA男さんから。
A男さんは母のC子さんの手を取り、上座へ。C子さんは今年卒寿(90歳)ですので、還暦の息子に卒寿の母という構図です。
A男さんは左手で母のC子さんの肩を抱き、右手にマイクを持って歌い始めました。声は甘く、こぶしを効かせて熱唱します。
舞台は花のお江戸。孝行息子が田舎から母をお江戸に招いて案内します。上野、浅草、新橋、・・・。まるでお江戸の賑わいが目の前に見えるかのようです。
パチパチパチパチ。
次は卒寿の母のC子さんの余興です。隣の部屋で準備を済ませたC子さんが居間に入って来ました。
「あーら、おばあちゃん!?」と娘のひとりから驚きの声。
『ひょっとこ』のお面をかぶって、ひょうきんに登場です。
指に挟んだ2枚の小皿で巧みにカチカチと音を立て、手は頭より高く上げながら弧を描きます。足の腿も高く上げて踊る、踊る、踊る・・・。
おじさんも飛び込みで踊りに参加し、あいや、あいやの賑わいです。
C子さんは踊りが終わるとお面をはずして、そのまま畳の上に座り、息を整えてから挨拶を始めました。
両手を畳に軽くつけて・・・、
「A男、B子さん、おめでとうございます。A男、B子さんのお祝いで踊りました。
私は良い子供たちばっかりもって幸せです。こんな幸せはありません。ありがとうございました。」
子供たちから、「良かったよ、かあちゃん。」
「D子さん、ありがとうございます。こんな年寄りを抱えて、E子さんと私の二人。とても良くしていただきまして、ありがとうございました。」
子供たちから、「あと10年生きらんばよ。」
「F子、G子、ありがとうございました。H男、I男、ありがとうございました。
J子さん、ありがとうございました。ばあちゃんが忙しくて、仕事ばかりしていて、K男、L子、そして、子供全部、J子さんが見てくれまして、ありがとうございました。
これからもね、みんな、今のように兄弟全部仲良くして下さい。ありがとうございました。」
ビデオカメラで撮影していたA男さんは喉、鼻、目元に込み上げてくる感情のマグマを抑え、噛み砕き、しっかりと飲み込んで、声が出るようになってから叫びました。
「かあちゃん、ありがとう! 本当に良かったよ。」