[撮影四方山話] 選択の自由、そして、教育の民営化
- オリジナル・シー・ヴイ代表の末次です。
ラグビーW杯で、日本が南アフリカに劇的逆転勝利。この信じられない光景を見れるなんて、何はともあれ生きていて良かったと思える一瞬でした。
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<目次>
1.[撮影四方山話] 選択の自由、そして、教育の民営化
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品 → 「平成26年度 卒園を祝う会」
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1.[撮影四方山話] 選択の自由、そして、教育の民営化
1980年頃、経済学者ミルトン・フリードマンの著書「選択の自由」は世界に衝撃を与えました。
当時、インフレと失業率が同時に起こるスタグフレーションが発生し、経済の閉塞感が蔓延していたのです。
「この危機をどのように乗り切るのか。」
その明快な回答を示してくれた人は彼以外にいなかったからです。
彼は言いました。
「われわれに、今必要とされている課題は”大きな政府”の誤った諸処の政策を排し、インフレを抑え、経済に活性を取り戻すことである。
そのためには、政府の介入を限定し、個人・企業の自由な競争にゆだねる分野を広げるべきである・・・・・。」
この本は日本において行革のバイブルと言われました。官営企業が次々と民営化され、JR、日本たばこ産業、NTT、日本郵政となったことは周知の事実です。
もうひとつ彼が「選択の自由」で指摘した中で、現実化していないことがあります。「第六章 学校教育制度の退廃」で書かれている小・中・高校教育の民営化です。
さすがに、教育は国家の基本であるだけに、容易にメスを入れることは出来ません。そこで日本の場合、まず、行政が手を付けたのは公立保育園の民営化です。
男女雇用機会均等法が施行され、女性の就労形態が大きく変化する中で、保育園に必要とされるサービスは多様化しています。
画一的な公立保育園では対処しづらい課題も私立保育園ならば新しい機会としてチャレンジできますので、民営化のタイミングとしては適していたのでしょう。
もちろん、受け皿となる社会福祉法人の設立から、私立保育園の経営が軌道に乗るまで容易なことではありませんので、理事の方々や園長先生、そして、スタッフの皆さんにとっては毎日が苦難の連続ではないかと思います。
それでも私が撮影で訪れている園長先生やスタッフの皆さんはいつも笑顔で明るく、情熱をもって園児に接しておられます。私自身も小さい頃6年間保育園で育って来ましたので、先生方の日々の努力には頭が下がる思いです。これからもどうか未来を担う子供たちのためにご尽力下さればと願っています。
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品
作品名 「平成26年度 卒園を祝う会」
制作 神奈川県***保育園
作品時間 64分
啓蟄から春分にかけて、ひとつの保育園で「そつえんをいわう会」が催されました。
もちろん、最大のセレモニーは卒園証書授与なのですが、この保育園では少し工夫をされています。
園長先生が卒園証書を読み、卒園児に手渡します。普通ならばここで卒園児は一礼をして席に戻りますが、この保育園では後ろに控えている卒園児のお父さん、或いは、お母さんに卒園児から再度、卒園証書を手渡すのです。
園長先生が卒園証書を読み上げ、A君に手渡しました。
園長先生: 「よく頑張ったね。」
卒園証書を受け取ったA君は急に顔をくしゃくしゃにして、お母さんの方へ振り返ります。
A君: 「ママ、いつも***を作ってくれてありがとう。
僕も頑張るから・・・。(左手で目を覆い涙を拭って)
僕も頑張りますから、ママも頑張って下さいね。」
ママは両手で大切に卒園証書を受け取り、きつくA君を抱きしめました。
B君は園長先生から卒園証書を受け取ると、パパの方へ振り返りました。
B君: 「***に連れて行ってくれて、ありがとう。」
パパ: 「ママとおじいちゃんが入院して、3か月間、パパと二人で過ごしたんですけど、ひとつも泣き言を言わずに頑張りました。これからも強くて優しいB君でいて下さい。」
ふたりは強い強い握手を交わしました。
C君は園長先生の前に出ると、止まらない涙を何度何度も腕で拭います。
園長先生は肩を抱きながらパパの方へ誘い、そして、嗚咽で声が出ないC君の背中をさすって励まします。一方、パパはC君が話し終えるまで背筋を伸ばしてじっと待っています。
C君: 「楽しく、・・・、・・・、・・・、ありがとう。」
パパ: 「よく頑張りました。お兄さんとしても頑張ってね。おめでとう。」
授与式が終わると、卒園児と先生は一旦、控室に入りました。
D先生: 「卒園、おめでとうございます。無事、式が終わって、ほっとしましたか。」
みんなが「ほっとした」と言っている中で、
A君: 「俺、感動したよ!」
そして、D先生から卒園児に対して、最後の挨拶を行いました。
D先生: 「・・・泣いて、拍手をいっぱいもらって、嬉しい卒園式が出来て、先生はとても嬉しかったです。みんな、ありがとうございました。」
D先生は目頭をずっと抑えていると、
A君: 「泣いてもいいんだよ。」
卒園児と保護者の皆さんが一同に会して、茶話会を過ごした後、先生全員から歌のプレゼントがありました。
「庭のシャベルが 一日ぬれて
雨が上がって くしゃみをひとつ
雲が流れて 光が差して 見上げてみれば
ラララ 虹が虹が 空に架かって
君の君の 気分も晴れて
きっと明日は いい天気 きっと明日は いい天気」