[素晴らしい教材から] Ideals are peaceful. History is violent.
- オリジナル・シー・ヴイ代表の末次です。
日の出が遅くなったこの頃、東京湾の向こうから昇る朝陽を正面に受けて
ジョギングしています。
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<目次>
1.[素晴らしい教材から] Ideals are peaceful, history is violent.
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品 → 「**と**の誓約」
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1.[素晴らしい教材から] Ideals are peaceful, history is violent.
言うまでもなく、聖書はキリスト教の核ですので、この聖書の言葉をモチーフにした映画はたくさんあります。
その中で、最近、私が見て印象に残った映画を紹介しましょう。
デヴィッド・エアー監督・脚本、ブラッド・ピット主演
映画「フューリー(Fury)」 (2014年)
アドリブ演技で生まれたという名セリフ「Ideals are peaceful, history is violent.(理想は平和だが、歴史は残酷だ)」は、ブラッド・ピットが撮影の前にリサーチのため、たくさんの退役軍人にインタヴューをした中で、彼らの1人から発せられた言葉だそうです。
彼は語っています。
「この映画が主張しているのは、家の中でのルールは戦場では通用しないということです。新兵のノーマンは人間の慈愛や正義感を持っていますが、それは戦場では通用しません。殺すか殺されるかの世界では冷血な人間にならなければならない。これだけ人間が進化しているにも関わらず世界中で争いは絶えない。そんな戦争の愚かしさ、矛盾をあらわしているのがこのセリフです。私たちが大事にしているものや理想としているものは、戦場では一旦忘れなければ生き延びることができないのです。」
「フューリー(Fury)」というのは1台の戦車の名前です。第2次大戦中、300人のドイツ人を敵に迎えて、フューリーに乗るたった5人の仲間だけで重要拠点を守らなければならなくなったのです。それもフューリーのキャタピラは壊れてしまっていますので、身動きがとれません。その中で彼らは決心するのです。
クリスチャンである砲手のボイドは聖書の言葉を使って、心境を吐露します。
「わたしはまた主の言われる声を聞いた、『わたしはだれをつかわそうか。だれがわれわれのために行くだろうか』。
その時わたしは言った、『ここにわたしがおります。わたしをおつかわしください』。」
この戦車のリーダーであるウォーダディ軍曹(ブラッド・ピット)は、子供や捕虜を躊躇なく殺させ、生き残るためには何でもやってきた男で、人間の愛や神への敬意、信仰にまったく無縁と思われていたのですが、そのとき
「イザヤ書6章・・・」
と聖書の引用した箇所を指摘したのでした。
(彼自身も敬虔なクリスチャンで、このとき殉死を決心していたのです。)
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品
作品名 「**と**の誓約」
制作 福岡県女性
作品時間 72分
北九州市から車で50分ぐらい走り、響灘の海岸線から少し内陸にったところにSlow Resortと称するエリアがあります。
4つのお洒落なレストランやカフェなどが集まり、そこにチャペルもありますので結婚式を行うことも出来ます。
雲ひとつない清々しい秋晴れの朝、そこで催される結婚式披露宴の撮影に入りました。
チャペルは天井が高く、小さい音でも大きく反響します。オルガンやヴァイオリン、そして、ソプラノの響きが奏でられると、体全体に振動が伝わって来ますし、もちろん、人の声に対してもかなりの余韻があります。建物自体はそんなに古くはないのですが、音は荘厳な感じです。
そのチャペルで、いよいよ結婚式が始まりました。牧師様はアメリカ西海岸の出身ですが、日本に長く滞在されているようで、日本語がとても流暢です。そして、とても話好きだということがすぐにわかります。
牧師様:「今日は聖書の愛、そして、人間が考えている愛を比較したいと思います。
人間に『愛は何ですか』と聞くとほとんどの人が感情的な気持ちを返事する人が多いですね。決して間違った答えではありません。
でも、天気のようなもので、晴れたなと思っていると曇って来て変わりやすい。人間の気持ちも同じように変わりやすく、信頼できないものです。
ですから、変わることのない愛が必要です。それが聖書が教えている愛です。聖書の教えている愛は感じるものではなくて、決心するものです。
『何があってもあなたを愛します』という決心ですね。教会式の最も大事なことはそれです。誓約というものです。
どんな愛を決心するかというと、犠牲的な愛、そして、無条件な愛。
実は不可能です! 私は20歳で結婚して18年間頑張って来たんですけど、まだ、完ぺきに出来ていません。聖書が教えている愛を完ぺきに出来る日は来ないです。
ただ、なぜ、これを話しているかというと、これを目標にするということ。
目標のない夫婦よりは幸せになるんですね。なんとかなる夫婦というのは『愛は何ですか』と考えたことがない夫婦、目標のない夫婦。そのような夫婦になって欲しくありません。
目標を作って、それが完ぺきに出来なくても当然のこと。しかし、目標にして少しづつ、それに近づいていく。そうすれば、二人の愛はますます深くなり、あり得ないほどの幸せが待っています。
誓約というのは『この愛を完ぺきに出来ます』という約束ではなく、『この愛を目指します』という意味であることを理解して下さい。
それでは誓約の前に宿題をあげます。3つのことです。これを毎日実行して欲しい。
一番目は自己中心を捨てること。二番目はコミュニケーション、会話を大切にするということ。そして、三番目は格好のよい三つの言葉を使うこと。
今日からお別れの言葉、『行って来ます』、『さようなら』、電話を切るときに『ハイ、ハイ、ハイ』、を使わずに、必ず最後の言葉を次の三つの言葉にすると、本当に幸せになります。
日本ですから日本語でもいいんでしょうけど、今日はここだけ英語で練習してみましょう。
その言葉は何ですか。わかりますか。そうです。『I love you.』
行動と言葉で見せる必要があります。ここで言うことほど難しい場所はないでしょうから、ここで言えるのならばどこでも言えます。それでは一発で行きましょう。新郎からどうぞ。」
新郎:「I love you.」
牧師様:「OK. Good job!(拍手) 新婦からもどうぞ。」
新婦:「I love you.」 (新婦の恥じらう顔がそこにありました。)
牧師様:「OK. (拍手) 話が長くなって、すみません。人生で一回だけのことですから・・・。終わりました。」
誓約として、指輪の交換、誓約書へのサインが行われた後、牧師様から、「You may now kiss the bride.」の言葉。
新郎が新婦のベールを上げてキスが終わった瞬間、
牧師様:「すみません。ちょっと短いので、もう一回お願いします。もうちょっと長目で・・・。」
会場からどっと笑い声が起こり、和やかな結婚式は無事に終わりました。
私は撮影をしていて、とても関心をしたのは牧師様が話している最中に、新郎新婦が何度も何度も深く頷いていることでした。それは乾いたスポンジに水が瞬く間に吸い込まれていくように、この新郎新婦の清らかな心の中に牧師様の言葉が浸み込んでいったのでしょう。