[撮影四方山話] 星空ジョギング
- オリジナル・シー・ヴイ代表の末次です。
春分の頃、まさに「菜の花や月は東に日は西に」(蕪村)の光景でした。
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<目次>
1.[撮影四方山話] 星空ジョギング
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品 「*** ―Reception―」
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1.[撮影四方山話] 星空ジョギング
今年1月、ある日の午前5時過ぎ。自宅からまだ暗い外に出ると、いきなり身の引き締まる寒さ。雲が無く、放射冷却によって冷え込んでいるのです。こういうときこそ、星空が美しい。
自宅前から西に向かう急坂を走って上っていると、坂の上には雲があるのではなく、煌々と輝く木星がありました。その木星から東に向かって一列に、乙女座のスピカを挟みながら、火星、土星、金星、水星と並んでいたのです。
惑星の揃い踏みです。
今となっては木星は西の地平線に、そして、水星と金星は東の地平線に去ってしまいましたが、このときほど、黄道を強く意識したことはありません。
黄道とは天球上における太陽の見かけ上の通り道のことですが、惑星は太陽の公転面上に存在するため、この黄道上に現れるのです。また、合わせて言えば、地球を回る月の公転面も太陽の公転面に近いので、月も黄道付近に現れます。
まさに、黄道上付近で、日、月、火、水、木、金、土の天体ショーが毎日、繰り広げられているのです。そして、黄道上にある星座が星占いに関わるのですから、奥が深い!
天球を地球から近い順番で四つのレイヤーに分けてみると、次のようになります。
第一レイヤー 月 ・・・ 黄道付近に現れる ・・・ 太陰暦
第二レイヤー 太陽と惑星 ・・・ 黄道上に現れる ・・・ 太陽暦
第三レイヤー 銀河系 ・・・ 天の河 ・・・ (銀河暦?)
第四レイヤー 宇宙全体 ・・・ 天球
月は地球を約28日で周りますので、それを4等分して1週間とし、日月火水木金土を割り当てて暦としました。これが太陰暦です。
現在は地球が太陽を周る約365日を1年とした暦、太陽暦を採用しています。
しかし、数百年後、人類が太陽系を飛び出して銀河系を旅するようになる時、太陽暦では不十分となり、新たに銀河暦?が作られることになるでしょう。
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品
作品名 「*** ―Reception―」
制作 福岡県女性
作品時間 72分
新郎26歳、新婦34歳。
「うん!?」
誰しもが最初に新郎と新婦の年齢を聞いたとき、「大丈夫かな」と心配するのです。しかし、直接、彼らに会って見ると、誰しもが異口同音、「似合いのカップルだね」と言います。
新郎は若いけれども、落ち着いてどっしりとした感じがしますし、新婦はお人形のような顔立ちですので、年齢を感じさせません。二人一緒にいるといい感じなのです。
この似合いのカップルには少し心配事がありました。新婦は長い間、母と娘の二人暮らしでしたので、ご自分が嫁いでしまうとお母様はひとりぼっちになってしまいます。お母様の寂しさを考えると胸が締め付けられる思いです。
さて、結婚式当日、無事に式を終え、そして、披露宴もたけなわとなりました。会場の皆様を前にして、新婦から母への手紙が読まれました。
新婦 : 「大好きな皆様に囲まれて祝福をいただき、(ぐっと声を詰まらせ)、今、嬉しさと感謝で胸がいっぱいです。
お母さん、私が生まれて早いもので34年が経ちました。今日まで大切に育ててくれて本当にありがとうございます。振り返ると予定日より一か月も早く生まれた私は未熟児だった上に、ミルクを好まない、皆が寝静まる頃から夜泣きをする手のかかった子でしたね。
そんな中、元気にすくすくと育ったのもたくさんの愛情を注いでくれて暖かく見守ってくれたお蔭です。
お母さん、小さいときに作ってくれた水玉のワンピースを覚えていますか。
おてんば故に鉄棒でスカート回りをして破ってしまったけど、忘れられないお気に入りの服で、大人になった今でもその水玉は大好きな柄です。
それから、手作りの誕生日ケーキを覚えていますか。
ホワイトケーキにフルーツとバナナのシンプルなケーキだったけど、一生懸命に作ってくれたケーキは今でもどんな店よりも美味しい世界一のケーキです。
お母さんとは家族の中で一番多くの時間を一緒に過ごしたから、言葉を通さなくても通じることが多かったよね。
仕事で疲れて帰った時、何も言わなくてもいつもそこにはその時に食べたい料理を作って待ってくれてました。肩の力が抜けてほっとしたのを覚えています。
こうやってひとつひとつを思い返してみると、どんな時も優しさで包み込んでくれたお母さんがいます。
お母さん、ありがとう。
お母さん、私は今、お母さんの思い描いた花嫁になれていますか。
母として家族を支えてきたお母さんは私の理想像です。そんなお母さんを越える自信はないけど、少しでも近付けるように、これからは自分自身を磨いていきたいと思います。
最後に、**さんのお父様、お母様、初めてお会いしたときから暖かく迎えていただけたことを本当に幸せに思います。まだまだ未熟な私ですが、これからもどうぞ宜しくお願いします。」
新婦の母に問いかける文章を聞いた時、私は思わずカメラのファインダーから目を離し、ハンカチを取り出して目頭を押さえてました。
そして、新婦の気持ちがよくわかる新郎もまた感情が込み上げていました。
新郎 : 「これはヤバイ。これはヤバイよ。」
横で新郎のお父様はまだ若い新郎を心配そうに見ていました。
マイクが新郎に渡され、いよいよ最後の謝辞を述べる時が来ました。新郎はゆっくりとひとつひとつの言葉を噛みしめ飲み込みながら、スピーチを始めました。
新郎 : 「本日はお忙しい中・・・、また遠方にも関わらず・・・、私たち二人のために結婚式に出席いただき・・・、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからは良き父、良き母になれますよう・・・、毎日笑顔で助け合いながら
愛情いっぱいの家庭を築いていけるよう・・・、 精一杯頑張りたいと思います。」
その凛々しく堂々とした姿に、会場の皆さんはどこかほっとした安心感をもったのではないでしょうか。
最後の礼が終わった後、新郎のお父様は左手で新郎の肩をがっしりと掴み、そして、軽く揺さぶりました。