[撮影四方山話] 戸畑祇園大山笠
- オリジナル・シー・ヴイ代表の末次です。
7月と言えば、戸畑祇園大山笠。
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<目次>
1.[撮影四方山話] 戸畑祇園大山笠
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品 「平成二十九年戸畑祇園大山笠」
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1.[撮影四方山話] 戸畑祇園大山笠
母が入居している老人ホームのフロントに、ドサッとパンフレットが積まれていました。
ユネスコ無形文化遺産、国重要無形民俗文化財
「戸畑祇園大山笠」
見開きのページを開くと、戸畑祇園大山笠の行事日程が書かれており、7月1日から24日までびっちりと埋まっていました。
「そうか、戸畑祇園大山笠の時期に入ったんだあ。小さい頃、親父に手を引かれて、花形である競演会を見に行ったなあ。もう50年以上も昔のこと・・・・。」
うる覚えでしかないので、真偽のことはわからないのですが、父から次のように教えてもらいました。
● 提灯山笠に車輪は付いていない。よって、山笠はすべて人が肩で担いで運ぶ。(提灯山笠:提灯合計309個、高さ約10m、重さ約2.5t)
● 明治以降、電気が普及して電信柱が立ち、電線が敷設されるようになった。昔の提灯山笠はもっと大きなものがあったのだが、電線を切ってしまうというようなことがあって、高さが制限されるようになった。
● ひとつの提灯のロウソクが倒れて火が提灯に付くと、そこから延焼して次々と提灯が燃え上ってしまう。それを防ぐため、提灯山笠の中に火消し役として人が乗っていて、燃えた提灯を棒で叩き落とす。
● 昔は喧嘩山笠になって、山笠ごと燃えてしまったこともあったとか・・・。
最後の話しはにわかに信じ難いのですが、玄界灘育ちで気性の荒い昔の人達のやること。あっても不思議ではないかも・・・。
もし、2台の大山笠が燃えてしまうようなことがあったしたら、火柱は20メートルぐらいは上がったのではないかと・・・。
パンフレットの行事日程を上から下に追っていくと、「7月22日(土)戸畑祇園大山笠競演会」という文字が目に飛び込んできました。
約50年ぶりに行ってみようかな・・・。
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品
作品名 「平成二十九年戸畑祇園大山笠」
制作 オリジナル・シー・ヴイ
時間 3分
7月22日土曜日、午後7時過ぎ。まだ明るくて、提灯山笠を楽しむほどの暗さではありません。
競演会会場である戸畑区役所前は多くのひとだかりです。山笠が通る道の歩行者通路側は座席取りの敷物や椅子などでいっぱい。
もちろん、現場警備員は「通行の妨げとなり危険なため、敷物や椅子で場所取りをしないでください。」と声を荒げていますが、皆さん、どこ吹く風。
「去年もこの場所にシートを引いたのよ。なぜ、いけないの?」
かぶりつきの席を確保するため、必死です。
さて、競演会の開始が告げられ、幟大山笠の運行が始まりました。
幟大山笠とは12本の紅白の幟などを飾った大山笠。これに提灯はひとつも乗っていません。
段々暗くなって来て、そろそろ提灯大山笠の登場となるのでしょうけれど、どこから出て来るのか?
先程の幟大山笠が所定の場所に来て、停止しました。
見ていると、山笠の上に飾られていた幟、勾欄、見送りといわれる飾り物を次々と外していき、すべてを取り除いてしまいました。
そして、次にその山笠の4つの角に4本の柱を立てました。
準備が出来たところで、大会委員長から「五段上げ開始」の大号令。
すると、まず、五段になった提灯を山笠のてっぺんまで一気に引き上げ、そして、その下に収まる提灯枠を次々にはめ込んでいきます。
すべて組み上げて、提灯大山笠が完成するまで1分とかかりません。
見事です。圧巻です。初めて見る人には一瞬にして現れる提灯大山笠に驚愕することでしょう。
大会委員長から「運行開始」の大号令。大小8基の提灯山笠が夜空の下で華麗な競演を開始しました。
約50年前、八幡製鉄所の溶鉱炉は稼働しており、北九州市は活気に溢れていました。
この祭りにも多くの見学者が繰り出し、満員電車のような、すし詰め状態だったような気がします。
その時に比べれば、やはりこのお祭りに繰り出す人は少ない。
もともと、私は人混みが好きではなく、お祭りとか花火大会とかは避けて来ました。
しかし、今年の山笠の人混みぐらいならば、じっくりと見れますし、悪くはありません。
そして、何と言っても、この勇壮華麗な提灯山笠を一度見たら、他の場所で行われている山笠など見る気になれません。
来年もまた足を運ぼうかなと思います。戸畑祇園大山笠をまだ知らないという方はぜひぜひお越しあれ。