[PR] OCV開設10周年(その2) キリマンジャロから始まった
- オリジナル・シー・ヴイ代表の末次です。
英語の慣用句を覚えようとしている方が次のセンテンスを口ずさんでいました。
"Life is too short to worry about money."
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<目次>
1.[PR] OCV開設10周年(その2) キリマンジャロから始まった
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品 → 「13年前の記憶 ~韓国・ソヌンサン(禅雲山)~」
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1.[PR] OCV開設10周年(その2) キリマンジャロから始まった
オリジナル・クライミング・ビデオの開設10周年を振り返ってみよう。
1997年1月4日午前3時。満天の星の中に南十字星も見える。数日前の30℃の暑さを下界に置き去りにして、今は氷点下10℃ぐらい。頭ががんがんと痛み、吐き気もする。意識をして肺の中深くまで酸素を補給しようと試みるが、金魚のクチパク状態だ。心臓が胸から飛び出しそうなぐらい激しく鼓動している。
ここは標高5500メートル付近。キリマンジャロの頂上ウフルピークまで高度差400メートル弱が残っている。
赤道直下に位置しているのに、山頂には大氷河がある。それはどんな世界なのだろう? いくら書物を読み、想像を膨らませても限界がある。やはり、百聞は一見に如かず、なのだ。
さらに高度をかせぐ。漸く白み始めてきた。
日の出を撮るためにビデオカメラのバッテリーを1個残しておいたのだ。深夜、山小屋を出発する時、それをビデオカメラに装着した。
そして、とうとう太陽が地平線から昇ってきた。日の出と赤道直下の大氷河の撮影だ。ところが肝心のビデオカメラの電源が入らない。
バッテリーが冷えすぎてしまったのだ。
この映像を撮るために、重いビデオカメラをここまで背負って来たのに・・・。まして、この瞬間はもう二度とは来ない。再び、キリマンジャロに来るようなことはないだろうから。
今になって思えば、この失敗がクライミングビデオ作品制作を始めるきっかけであった。
2.先月のイチオシ!! ビデオ作品
作品名「13年前の記憶 ~韓国・ソヌンサン(禅雲山)~」
制作 FTG
作品時間 83分
韓国で一番高い山はチェジュ島にあるハンラ山。大陸の中ではソラク山が一番高い。そして、よく日本人に知られている岩山というとソウル近辺のインスボン。ここは花崗岩質で、スラブのクライミングが出来ることで有名だ。
さて、そこで、ソヌンサンと聞いてピンと来る人は相当な岩登り通である。ここはどっかぶりの前傾壁があるところなのだ。
インスボンならソウル近辺なのでお手軽だが、ソヌンサンは全羅北道にありソウルからはバスの乗り継ぎで4時間ほどかかる。地元韓国人のクライマーが同伴するか、或いは、ハングルが読めなければ容易に行けるところではない。
ここソヌンサンにFTGの福原ご夫妻は13年前にいらしたという。国際コンペがここで開催され、福原俊江さんがその大会に出場したのだ。それから随分と時が経った。
5月の緑が眩い林の中を登っていくと静かで大きな岩壁があった。たまたま居合わせた地元クライマーの中に、当時のコンペを主催した方や出場した方もいらした。
「日本人ですか?」と話しかけられ、そして、当時のコンペの話題になると、福原俊江さんのことをよく覚えているという。13年も前のことなのに・・・。
人と人とのつながりは本当に大切だ。それをわかち合えるお互いの心がお互いの体の中に残っているということなのだから。
この作品のオープニング映像はこちら。
韓国・ソヌンサン(禅雲山)旅行記はこちら。