作品名「イスマエル・インターナショナルバレエ クリスマスパフォーマンス 2011」
編集 Original CV 制作 イスマエル・インターナショナルバレエ
作品時間 44分- 2011年12月26日。JR赤羽駅で下車し、バレエスタジオに向かった。空気は凛として冷たいが、青く澄んだ冬空から陽光が差した。
バレエスタジオに到着すると、すでにダンサーの皆さんによって、リハーサルの準備が進んでいた。本日開催されるクリスマスパフォーマンス本番前の緊張感が否が応でも伝わってくる。
そこに、ディレクターであるイスマエルさんが到着した。イスマエルさんはキューバ文化省より、キューバダンサーとして正式に日本に派遣されたバレエ芸術家である。
イスマエルさんと彼の友人たちがスタジオに入って来ると、また雰囲気が変わった。Buenas tardes.(こんにちは) Por favor.(お願いね) Muy bien.(とてもいいよ)などとポンポンと出てくるスペイン語は耳に響きが良い。
リハーサルが始まった。本日のパフォーマンスのポイントを抑えて細かい指導が入る。テクニカルの部分と表現力の部分と、イスマエルさんご自身の理想は高いところにあるようだ。
そして、開場の時刻となり、お客様が集まったところで開演となった。
私にとって、クラシックバレエの撮影は初めてだった。これまで、ソーシャルダンスやヒップホップダンスなどを撮影して来たが、クラシックバレエはそれらとはまったく違った世界のように感じた。
爪先まで使ったストレートの線のダイナミズム。かと思うと、指先まで気持ちの行き届いた柔らかいカーブの線のエレガンス。人間の動きの無駄な部分をすべて削り落として、美しい動きだけを残したパフォーマンス。
ある意味、それは研ぎ澄まされた両刃の剣のようだ。あまりに鋭い美の表現方法。
私には、イスマエルさんが持つキューバスタイルのクラシックバレエがどのようなものであるかはわからない。
しかし、カリブ海に浮かぶ島で身に付けた情熱で、クラシックバレエの新しい世界を切り開いて行こうとする気持ちを何だか肌で感じるのである。 - メールマガジン No. 103 2012-03-01