作品名「平成24年度 そつえんしきとおもいで」
制作 東京都保育園
作品時間 84分- この作品は卒園式の合間に1年間の行事の想い出を回想するように構成した。園児たちと先生方の積み上げて来た結晶がここに凝縮している。
園長先生からビデオ作品の制作を委託されて以降、行事が終わるたびに保育園の先生が撮影した映像がこちらに届いた。
園児たちが見て聞いて触って知る新しい発見の驚きと、また、園児たち自身の力で音楽やパフォーマンスを創り上げていくことの喜びが園児たちの体からほとばしっていた。
日に日に成長していく姿がはっきりと映像に残されている。
この作品を編集していく過程で、私はふと思った。
この作品が完成し、DVDがそれぞれの卒園児たちに届いたとき、卒園児たちはすでにピカピカの小学校1年生である。新しい環境に順応していくことに一生懸命で過去を振り返る余裕なんてないはずだ。
果たして、このDVDを見るだろうか。多分、見たとしてもちょっと垣間見るだけだろう。
しかし、次にこのDVDを見たくなる時が来たとしたら、それはいつだろう。
これから約20年後卒園児たちが結婚するとき、或いは、結婚して子育てを行うようになったとき、自分がどのように育てられたのかを知りたいと思うときではないだろうか。
だから、この作品はあえて卒園児たちのパフォーマンスだけではなく、園長先生の暖かいお言葉や先生方の愛情あふれる卒園児たちへの想いもカットすることなく採用した。
20年後にこのDVDを卒園児たちが見たとき、先生方の想いが卒園児たちに届いたとすれば、先生方の「心の遺産」は卒園児たちに引き継がれたことになるだろう。 - メールマガジン No. 117 2013-05-01