作品名 「結婚60周年を祝う会」
制作 東京都女性
作品時間 71分- ゴールデンウィークが間近に迫った週末の横浜中華街は多くの人出で賑わっていました。
その老舗の一角で、結婚60周年の祝賀会が開催されていたのです。
主役は88歳のおじい様、そして、82歳のおばあ様。お二人を頂点として、子供、孫、ひ孫が円卓を囲んでいます。
まずは88歳のおじい様よりご挨拶。
「この度は私たち二人のためにお集まりいただき、ありがとうございました。
・・・この60年間はまさに『光陰矢の如し』でした。・・・」
挨拶の立ち振る舞いも毅然とされていて、88歳を感じさせません。82歳のおばあ様も同様ですが、腰は曲がっていないし、ボケてもおらず、健康そのものです。いや、服装の着こなしや仕草を拝見するとそこに気品を感じます。
素敵なネックレスやおばあ様が自ら製作し、ライフワークとなっている生け花の写真集のプレゼントがありました。お二人の笑顔が場の雰囲気を和やかにしています。
美味しい食事、楽しい余興が順次、進んでいった後、おばあ様はお色直しのために、一旦、退場。
次におばあ様が登場したとき、純白のウェディングドレスを召されていました。耳には白い花を挿して、ハワイ風の出で立ちです。子供にエスコートされて自然体のおじい様のところへ導かれました。
お二人が並ぶとフラッシュの山です。そのとき、おばあ様はおじい様の方を向いて、
「私、きれい?」
と尋ねられたのです。
照れるおじい様に代わって、孫たちから「綺麗です」のシュプレヒコール。否が応でも場が盛り上がりました。
最後に、おばあ様が2通のお手紙を読まれました。
ひとつはここに集まった皆さんに向けてです。
「ありがとうございました。・・・『こんな日が来るなんて、夢にも思ったこともありませんでした。』・・・。」
そして、もうひとつはおじい様へ向けてです。
「**様。本日は88歳のお誕生日おめでとうございます。結婚60年を迎えて、お祝いとしてお手紙を書かせて頂きました。
振り返れば、私18歳で何もわからず、わがままで怒りっぽい女の子でした。よく4年間も我慢し、大切にして下さり、お嫁さんにして下さいましたことを本当に心からありがとうございましたと言わせて頂きます。
結婚してからは怒ることもわがままも言う暇も無く、毎日が過ぎ、子供を育てるのに無我夢中でした。気が付いたら退職でした。
それからは外国旅行、お祭り、梅、桜、藤など花を追いかけ、月を見に行ったり、国内旅行に地図、時間表を広げ、計画を立てて楽しませてくれましたね。本当にありがとうございました。
そのお蔭で、88歳と82歳のカップルですが、毎日、散歩に出て喫茶店で2時間ぐらいお喋りしても話は尽きませんね。
本当に私を最高に幸せなおばあちゃんにして下さって、ありがとうございました。
ここに感謝と御礼を言わせて頂きます。これからも一日一日大切に生きていきましょうね。 **より」
マイクをおじい様へ向けると、
「もう、今の手紙で何も言うことはありません。本当に長い間、あなたにはお世話になりっ放しですが、・・・。
もうしばらくですが、ひとつ宜しくお願いします。」
そして、おばあ様へ向かって深々とお礼をされました。
円卓に座っている子供、孫たちもみんな、ハンカチで目頭を押さえ顔を上げられませんでした。
そのとき、ひ孫から
「みんな、何で泣いてんの???」
その言葉で顔を上げると、皆さん、目は涙で覆われ、口元は笑いに代わっていました。
そして、記念の集合写真を撮ることになり、まず、おじい様とおばあ様が真ん中に座られました。
そのときです。ひ孫から「チュー」の一言。孫たちからも「チュー、チュー、チュー」の大合唱。司会者は「無茶ブリ」だと言いながらも、お二人を催促していました。
おじい様は優しくおばあ様のほっぺにチュー。おじい様は肩をすくめておどけて見せました。おばあ様はおじい様の背中を右手でポンと叩き、左手は手のひらでほっぺを押さえていました。
60年経っても変わらないお二人の初々しいお姿がそこにありました。
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こんにちは。ビデオ、素晴らしかったです!父と母の嬉しそうな場面が次から次へと…。本当に良い記念となりました。
お願いして良かった…。心からそう思います。
また、お願いすることがあると思いますので、末長く宜しくお願い致します。お体、お気をつけて、お仕事頑張って下さいね。 - メールマガジン No. 141 2015-05-01