作品名 「平成26年度 卒園を祝う会」
制作 神奈川県***保育園
作品時間 64分- 啓蟄から春分にかけて、ひとつの保育園で「そつえんをいわう会」が催されました。
もちろん、最大のセレモニーは卒園証書授与なのですが、この保育園では少し工夫をされています。
園長先生が卒園証書を読み、卒園児に手渡します。普通ならばここで卒園児は一礼をして席に戻りますが、この保育園では後ろに控えている卒園児のお父さん、或いは、お母さんに卒園児から再度、卒園証書を手渡すのです。
園長先生が卒園証書を読み上げ、A君に手渡しました。
園長先生: 「よく頑張ったね。」
卒園証書を受け取ったA君は急に顔をくしゃくしゃにして、お母さんの方へ振り返ります。
A君: 「ママ、いつも***を作ってくれてありがとう。
僕も頑張るから・・・。(左手で目を覆い涙を拭って)
僕も頑張りますから、ママも頑張って下さいね。」
ママは両手で大切に卒園証書を受け取り、きつくA君を抱きしめました。
B君は園長先生から卒園証書を受け取ると、パパの方へ振り返りました。
B君: 「***に連れて行ってくれて、ありがとう。」
パパ: 「ママとおじいちゃんが入院して、3か月間、パパと二人で過ごしたんですけど、ひとつも泣き言を言わずに頑張りました。これからも強くて優しいB君でいて下さい。」
ふたりは強い強い握手を交わしました。
C君は園長先生の前に出ると、止まらない涙を何度何度も腕で拭います。
園長先生は肩を抱きながらパパの方へ誘い、そして、嗚咽で声が出ないC君の背中をさすって励まします。一方、パパはC君が話し終えるまで背筋を伸ばしてじっと待っています。
C君: 「楽しく、・・・、・・・、・・・、ありがとう。」
パパ: 「よく頑張りました。お兄さんとしても頑張ってね。おめでとう。」
授与式が終わると、卒園児と先生は一旦、控室に入りました。
D先生: 「卒園、おめでとうございます。無事、式が終わって、ほっとしましたか。」
みんなが「ほっとした」と言っている中で、
A君: 「俺、感動したよ!」
そして、D先生から卒園児に対して、最後の挨拶を行いました。
D先生: 「・・・泣いて、拍手をいっぱいもらって、嬉しい卒園式が出来て、先生はとても嬉しかったです。みんな、ありがとうございました。」
D先生は目頭をずっと抑えていると、
A君: 「泣いてもいいんだよ。」
卒園児と保護者の皆さんが一同に会して、茶話会を過ごした後、先生全員から歌のプレゼントがありました。
「庭のシャベルが 一日ぬれて
雨が上がって くしゃみをひとつ
雲が流れて 光が差して 見上げてみれば
ラララ 虹が虹が 空に架かって
君の君の 気分も晴れて
きっと明日は いい天気 きっと明日は いい天気」 - メールマガジン No. 146 2015-10-01