作品名 「クライミングと歴史探訪 ~スペルロンガ・フィレンツエ・ローマ~」(中編)
制作 Original CV
作品時間 59分- ”花の都 フィレンツェ”。良い響きです。
そして、副題に”ルネッサンスの栄光を今に伝える”とあります。
この街のフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に降り立った時、正直、重苦しさを感じました。今まで私たちはティレニア海沿岸の明るい街スペルロンガに滞在していたのです。それが内陸の地、それもルネッサンスとはいえ中世に違いありませんから、そのような街にタイムスリップして来たのですから、当然感じる雰囲気に違いありません。
ところがこの重苦しい街になんと観光客の多いことか。びっくりです。「皆さん、そんなに暗い世界が好きなんですか~。」
陽が暮れるまで少し時間があったので、ミケランジェロのダヴィデ像のあるアカデミア美術館に行ってみると長蛇の列。すぐに入館するのを諦めました。
翌日、私たちはフィレンツェの顔とも言えるウッフィツイ美術館に行きました。予約を入れていたので時刻通りに入れましたが、もし並んでいたら2時間は待たねばならなかったでしょう。
メディチ家の財力を結集したルネッサンス美術館と言われるだけのことはあります。教科書にも載っているボッティチェリの「春:プリマヴェーラ」を見ただけでも満足でした。
フィレンツェの街のこの重苦しさは何が原因かというとすべてが石で作られているということでしょうか。石畳の狭い路地、石で積み上げられた重厚な建築物。緑は南に流れるアルノ川を越えてミケランジェロ公園まで行かないと十分に見れない感じでした。
もともと中世の街ですから、現代の車社会に対応していないのですが、イタリア人は逞しい。この狭い路地で見事に縦列駐車をします。私にはこちらを見ている方がすごいなと感じました。
そうそう、TVのスイッチを入れるとたまたまコマーシャルが流れていました。若い青年が狭い路地で縦列駐車をしようと何度何度もトライするのですが、うまくいきません。そこに京塚昌子さんのような肝っ玉母さん(古い例えですみません)が出て来て、顔の前で人差し指を左右に振ります。若い青年から代わり、肝っ玉母さんが運転すると一回でぴたりと縦列駐車を決めてしまうのです。イタリアならではのコマーシャル。
そして、食料は北にある中央市場で手に入れるのですが、逆にこの中央市場以外で売っているところが少ないのです。日本であちらこちらにあるコンビニに慣れてしまっている私にとってはこれも不便だなと感じました。
たまたまサン・マルコ広場で開かれていた蚤の市に行ってみると嬉しいことにチーズがたくさん売っていました。日本で買ったら目が飛び出るような金額になるチーズをブロックごと買いました。本日飲むD.O.C.G.ワインに合わせます。こちらではチーズにも種類がたくさんあってどれを買ってよいのかわかりません。自分の感覚で美味しそうだなと思って買っても口に合わないことが多くあります。そこでこれも経験ですが、チーズを買うとき、自分の前に並んでいる地元の人が買うチーズをよく見ておきます。そして、地元の人が買ったチーズと同じものを買えば大体美味しくて値段もお手頃です。郷に入れば郷に従えということですね。
ビバ ワイン! ビバ チーズ! - メールマガジン No. 182 2018-10-01