作品名「慶州の旅 ~韓国~」
撮影 Original CV 制作・著作 福岡県男性
作品時間 44分- 7月頃、兄夫婦から要望があり、親子3代で海外旅行へ行こうという案を切り出された。費用はすべて兄夫婦もち。加えて、撮影・編集の費用もいただいてしまっているのだ。頭を畳にこすりつけて感謝をしたい。
今回の旅先に韓国を選んだのは82歳になる母の足が弱っているので近場がよいだろうという理由からだった。「冬のソナタ」で賑わうソウルは避けて静かな慶州を選んだ。参加者は母、兄夫婦、兄夫婦の長男、そして、私の5人。
博多港から高速船で釜山に入り、早速、ガイドと打ち合わせた。しかし、足の弱い母には、慶州のコースは歩きや階段が多く無理だろうというのだ。ガーン。まったく予習をしていない私が悪いのだが、それでも行けるところまで行こうということにした。
釜山の梵魚寺はパスして、直接、慶州に入った。この日は天馬塚、慶州国立博物館を時間をかけてゆっくりと回った。秋晴れの澄んだ空に、乾いた空気が気持ちよく、新羅千年の都の美しさに彷彿とした。
翌日は登り降りと階段の多い石窟庵と仏国寺に出向いた。登りは母の乗る車椅子をみんなで代わる代わる押した。階段の登りは母の手を取り、降りは兄が母をおんぶをして降りた。
母は密かに仏国寺を楽しみにしていた。亡き父と一緒に中国・桂林を旅したとき、「一期一会」と書かれた掛け軸を買ってきた。その筆を執った人が仏国寺のお坊さんなのだ。仏国寺とはどういうところか、父の御前で報告したかったに違いない。
私はファインダーに映る無邪気な母の笑顔に心を動かされた。新しいものを見たいという好奇心、水彩画や俳句の材料を探す輝くまなざし、手で触り感じ旅のすべてを満喫しようという気持ち。この旅に出て本当によかったと思う。
この旅を支えてくれたすべての方々の暖かい思いやりに本当に感謝したいと思います。皆さん、ありがとうございました。 - メールマガジン No. 27 2005-10-01