作品名「チベットヒマラヤ カルション峰(6,674m) 登山記録」
撮影 KAC90 カルション登山隊
作品時間 38分- 慶応義塾体育会山岳部の創立90周年を記念して企画された登山である。
第1次、第2次偵察隊と2度にわたり、ラサの南方から南西方面を入念に調査した結果、この未踏峰であるカルション峰(6,674m)が選ばれた。
今回参加している隊員の平均年齢は66歳余り、最高齢73歳。山にかける意気込みに年齢の大小はない。「Youth is not a time of life. It is a state of mind.」とサミュエル・ウルマンの声が聞こえてきそうだ。
9月13日にベースキャンプを設営し、C1(5,500m)、C2(5,800m)、C3(6,150m)と登・下降を繰り返しながら、頂上へのアタック準備を整えた。
ところが、21日から天気が激変。3日間降雪が続き、C3という高所での長期滞在は体力の消耗が激しいと判断し、一旦、C1まで下降した。
予備日数から考慮して、アタックを1隊に絞り再度挑戦。2005年9月28日11時30分(日本時間9月28日12時30分)、ついに、河西副隊長と新谷隊員が地元の高所協力員の援助を得て頂上を踏みしめた。
C3付近(約6000m)で撮影した映像には迫力がある。空気が希薄なため、隊員の激しい呼吸音がマイクに入る。稜線付近のスパッと切り立った氷壁に唯一、スノーブリッジがかかっている。そのブリッジを登っていく。
映像が捉えた真実の未知なる世界に引きずり込まれずにはいられない。 - メールマガジン No. 30 2006-01-01