作品名「紅葉の錫杖岳前衛フェース」
制作 Original CV
作品時間 46分- 気付いてみると、このコーナーでは3回連続してロッククライミング作品の紹介となってしまった。別に他の作品を制作していないということではないのだが、作品のオリジナル性と質の高さを考えると、こうなってしまったと言うしかない。
逆説的に言うと、今年は素晴らしいロッククライミング作品を量産していると言える。天候に恵まれないときはさっぱりなので、そういう意味では、今年は当たり年だ。撮れるときに撮る。これは山の作品では鉄則である。
さて、佐藤ご夫妻から紅葉の錫杖岳に行かないかと誘われたのはちょうどギリシャから帰ってきたときであった。ギリシャのカリムノス島で見たエーゲ海のコバルトブルー、真っ白なスタジオ(建物)が頭にこびりついているときだ。
果たして、ギリシャ・ボケの頭で、日本の岩場を楽しむことができるだろうか。
錫杖岳は北アルプスの笠ヶ岳の南に位置している岩山である。山歩きの対象ではないので、ロッククライマー以外の人には無名の山かもしれない。しかし、アプローチが2時間ほどで岩に取り付けるので、北アルプスの山々の中では最も岩登りに便利な山である。
錫杖沢に入ると素晴らしい紅葉だ。日本が誇る四季の美しさはここにもあった。それは決してギリシャに引けをとるものではない。美しいものは美しい。岩に取り付いてみると、固くてすっきりとしている。快適なクライミングだ。霧が晴れると焼岳、西穂高岳、奥穂高岳が眼前に浮かぶ。
来てよかった。心底そう思った。日本の美しさをぜひとも世界に紹介したいものだ。
オープニングの映像はこちら。 - メールマガジン No. 40 2006-12-01