作品名「シチリア、その夢」
制作 Original CV
作品時間 47分- クライミングと歴史探訪の旅の第3作目である。
第1作目 Homer sometimes ... - Climbing in Kalymnos -
第2作目 クライミングと歴史探訪 ~スペルロンガ・フィレンツエ・ローマ~
それぞれの旅にはテーマがある。第1作目は古代ギリシャ、第2作目は古代ローマ。そして、今回の第3作目はポエニ戦争である。
しかし、実際の旅では、2100年から2200年前に起こったローマとカルタゴの戦いの史跡を見つけることはあまり出来なかった。第1次ポエニ戦争のとき、カルタゴ軍が3年間占拠したというテーブルマウンテンMonte Pellegrinoを訪れたぐらいであろうか(ここでクライミングを行なった)。
それよりもシチリアの州都パレルモで見たものは、人種の坩堝であり、貧しいという現実だった。
地図を広げていただければ、すぐにわかると思うが、シチリアは地中海の真ん中にある。この島の地理的な重要性は明らかだ。故に、多くの人種がこの島に乗り込んで来た。ギリシャ人、フェニキア人(カルタゴ人)、ローマ人、アラブ人、ノルマン人、イスパニア人・・・。
次々に代わる統治者の中で、その島に定住したシチリア人はどのような夢を持ったのであろうか。
シチリア島の西北端にあるトラーパニの近くにエリーチェという街がある。このエリーチェは標高700mぐらいの山頂にあり、要塞化された、古くて美しい街だ。
このエリーチェで朝陽が真っ先に当たるヴィーナス城の広場に胸像が立っていた。名前はジュゼッペ・コッポラ。
私はこの「コッポラ」という姓を見たとき、フランシス・フォード・コッポラ監督のゴッド・ファーザーという映画を思い出した。監督が描きたかったもの、それこそ、シチリア人の魂ではなかろうか。
ここシチリアに来て始めて、この映画の本当に描きたかったものを知る思いがしたのだった。
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イタリア・シチリア島旅行記はこちら。 - メールマガジン No. 77 2010-01-01