作品名「米寿お祝いの旅」
撮影 Original CV 制作 末次進・みち子
作品時間 26分- 母の米寿お祝いの旅は天草へ行くことになった。
台風が接近していて、強い風と小雨の降るあいにくの天気となったが、天草の下島にある通詞島では早崎瀬戸を前に、強風で天に舞うイルカを見たし、富岡城址では、咸臨丸でここを訪れた勝海舟の銅像にもめぐり合えた。
夕方、台風が遠ざかると共に風も収まってきた。本日の宿は天草五橋の近くの藍風亭である。これまで何度かこの宿にお世話になっているが、来る度に「また来てみたい」と思わせる生き造りが出されるのである。今回は、オコゼの造りと唐揚げに舌鼓を打った。
夕食を終えて、浜辺に出ようとすると、宿の軒まで波が打ち寄せていた。今日は大潮なのだろう。アイデアマンの孫は花火を買ってきていたので、この波打ち際の軒下で花火を楽しむことにした。
厚い雲に覆われて、月や星は見えない。その真っ暗な中に、一本、一本、花火が付けられた。火の粉は宙を舞い、海面に消えていく。母も怖いと言いながら、恐る恐る花火の端をもっている。子や孫が見守る中で、海面に浮かぶ幻想的な雰囲気の母をカメラが捉えた。
天草の 潟に満ちりし 波際に 八十八の花火 末末に映えむ - メールマガジン No. 85 2010-09-01