作品名「この世ハ酒のごとくに候 2011」
制作 FTG
作品時間 21分- 1336年8月17日、足利尊氏が秘封のままで清水寺に納めた願文の出だしは、
この世ハ夢のごとくに候
であった。絶頂期の尊氏が懊悩の中で願ったこととは?
それから675年経った2011年6月4日、われら13人は秋田県能代市の喜久水酒造に集合した。
メンバーは多彩で、神奈川県を中心にするもシアトルから2人参加し、最年少者は生後4ヶ月という赤ちゃんである。
さて、ここで何が起きているかである。
毎年6月第一週の土曜日に、喜久水酒造では所有しているトンネルの前で醸蒸多知(かむたち)祭を行う。これはお客様への感謝祭のようなものだ。
ここで、特別大吟醸 朱金泥能代という1升瓶1本10万円のお酒を一杯ご馳走になれるのだ。まさに、
一千ドルの 一杯求めて 一千里
というわけである。
醸蒸多知祭の後、われらは秋田地酒の伝道師こと、浅野さんのいる天洋酒店に向かった。さすが、伝道師だけあって半端ではない。ビールやワインなんて置いていない。ときどき間違ってビールを買いに来られる方がいるそうだが、その方には「この先のコンビニで買って下さい。」と言うそうだ。
ここで利き酒を行っていただけるのだが、メンバーがメンバーだし利き酒会と称する大宴会になってしまった。これで一人も買わなかったらどうなるんだろう?
そして、最後は米代川沿いにある「川どこべらぼう」へ向かった。秋田杉をふんだんに使った店内は落ち着くし、檜風呂もある。そして、言うまでもなく秋田地酒を飲みながらここの料理に舌鼓を打つわけだ。
うーん、中身があまりに濃過ぎる。体力の無い人は付いていけない。
とはいえ、2年前の参加者は4人、昨年は7人、今年は13人ということでねずみ講式に増え、さて、来年の参加者は何人になるのだろう? - メールマガジン No. 95 2011-07-01